トップページ > 大学からのお知らせ > JICAフォローアップ事業「中米カリブ地域/看護基礎・継続教育強化プロジェクト」の調査団員として藤原美智子助教がエルサルバドルを訪問しました

JICAフォローアップ事業「中米カリブ地域/看護基礎・継続教育強化プロジェクト」の調査団員として藤原美智子助教がエルサルバドルを訪問しました

2021年11月14日から29日まで、本学の藤原美智子助教がJICAフォローアップ事業「中米カリブ地域/看護基礎・継続教育強化プロジェクト」(通称「天使のプロジェクト」)の調査団員として、エルサルバドル共和国を訪問しました。
今回の訪問は、2007年から2010年まで実施された「天使のプロジェクト」のプロジェクト終了後の活動状況の調査と助言のための訪問でした。藤原助教は、エルサルバドル国内の母子保健分野の協力(二国間協力)についての専門家として派遣されました。
「天使のプロジェクト」とは、中米とカリブ地域の5か国が連携して看護師の基礎教育および卒後教育の質の向上を目標とした広域協力と、エルサルバドル国内の西部地域で、母子保健分野の卒後教育の強化を目標とした二国間協力の二本柱で行われたプロジェクトです。

※以下の2つの記事は、今回の訪問について、JICAエルサルバドル事務所のFacebookに掲載されたものを了承を得て日本語に訳し、補足説明と写真を追加して現地の様子がわかるようにしたものです。

看護界は、人間的な出産ケア、思春期の妊娠予防、看護過程の展開を強化する取り組みに力を合わせて励んでいます

「看護界は、人間的な出産ケア、思春期の妊娠予防、看護過程の展開を強化する取り組みに力を合わせて励んでいます」(Facebookへ移動します。スペイン語の記事です。)
※JICAエルサルバドル事務所公式Facebook 2021年11月23日投稿記事

2021年11月18日から19日にかけて、JICAエルサルバドル事務所の小園勝所長とエルサルバドル保健省看護課のルディス・マーベル・ソト・デ・ゼペダ課長が参加して、「人間らしい出産ケア、思春期の妊娠予防、看護過程の展開」をテーマにした第5回目の最終研修が開催されました。
この活動は、サンサルバドル首都圏の看護職員を対象としたものです。参加者が自分の知識を表現し、それぞれのテーマについて意見交換や議論ができるように、リプロダクティブ・ヘルス中央委員会が、さまざまなアイスブレークや実践的な演習、ドラマなどを展開し、アクティブラーニングの手法で研修を進めていきました。
初日には、JICAの小園所長が他の出席者とともに「妊婦への人間的なケアへの意識を高めるリフレクション」に参加しました。セミナー参加者は、3つのパズルを組み立てるというアイスブレークを通して、あるグループは「ハート」を、別のグループは「いくつかの手」を、3つ目のグループは「妊婦」を組み立て、それぞれの参加者が自分にとっての「人間的なケア」の意味をフレーズや単語で書き込んでいきました。挙がってきたのは、”love”、”愛情”、”共感”、”権利”、”温かさ”、”平等”、”凛としたおもてなし”、”質のよさ ”などでした。最後に、各グループの代表者が、チーム内でのディスカッションの結果を写真のように発表しました。
この研修は、参加者の知識の向上につながる充実した内容になっています。この日は、日本の専門家である鳥取看護大学助教の藤原美智子氏が、「日本における妊娠・出産・産後の母子保健と継続看護の現状」について発表しました。
エルサルバドル保健省看護課が実施するフォローアップ・プロジェクトは、「天使のプロジェクト」のフォローアップの枠組みの中でJICAの支援を受けており、看護専門家によるケアの強化に向けた保健省の取り組みに貢献しています。
研修の参加者は、保健センターに勤務し、日頃妊婦さんのケアを担当する看護師24名でした。
研修の参加者は、保健センターに勤務し、日頃妊婦さんのケアを担当する看護師24名でした。
日本における母子保健の状況と継続看護について講演しました。参加者は関心を持って聴いておられ質問もいろいろとありました。
日本における母子保健の状況と継続看護について講演しました。参加者は関心を持って聴いておられ質問もいろいろとありました。
ボールを使ったエクササイズや妊婦体操の実践演習も行われました。
ボールを使ったエクササイズや妊婦体操の実践演習も行われました。

「天使のプロジェクト」の成果

「天使のプロジェクトの成果」(Facebookへ移動します。スペイン語の記事です。)
※JICAエルサルバドル事務所公式Facebook 2021年12月1日投稿記事

2021年11月22日から23日、藤原美智子氏(「天使のプロジェクト」のフォローアップ・ミッション)とともに、「天使のプロジェクト」のサイトであるサンタ・アナ県、ソンソナテ県を訪問しました。このプロジェクトは2007年から2010年まで行われ、11年前にプロジェクトからの直接的な支援は終了しました。しかし、「天使のプロジェクト」がもたらした技術が、地域の保健センターのスタッフの間で持続的に活用されている様子が見られました。プロジェクトの妊婦指導用の教材やシミュレーターモデルは10年以上前から大事に使用されており、20年前にJICAから寄贈されたハイリスク妊産婦・新生児のケアを実践するためのシミュレーターモデルも見せていただきました。
地域の保健センターでは、お母さんと赤ちゃんの命を守るために、ハイリスクの妊婦さんの緊急事態に対応するための準備(血圧を下げる薬剤の静脈内投与のためのセット)を見学することができました。その他、地域で妊婦さんの家庭訪問や思春期の若者への性教育などのさまざまな活動について聞くことができました。
エルサルバドルでは、2000年の妊産婦死亡率は出生10万人あたり84人でしたが、2017年には46人まで減少しました(WHO、ユニセフ、世界銀行グループ、国連経済社会局人口部、2015年、2019年)。このような母子保健指標の改善は、この国の保健医療分野で働くすべての人々の努力によって達成されています。
保健センターでは妊娠・分娩・産後の状況を、台帳を用いて管理し、健診を受診しない妊婦への連絡等フォローを行っています。
保健センターでは妊娠・分娩・産後の状況を、台帳を用いて管理し、健診を受診しない妊婦への連絡等フォローを行っています。
妊婦への保健指導の様子です。手作りの啓発用のポスターを掲示しています。プロジェクトで配布した教材も大事に使われています。
妊婦への保健指導の様子です。手作りの啓発用のポスターを掲示しています。プロジェクトで配布した教材も大事に使われています。
保健センターの看護師が他職種と連携し、さまざまな地域で思春期の妊婦を対象としたクラブ等の活動を行っています。
保健センターの看護師が他職種と連携し、さまざまな地域で思春期の妊婦を対象としたクラブ等の活動を行っています。

Facebook twitter



fixedImage
ページトップ